ニコニコ動画に希望する5つの新機能

最近のニコニコ動画に関する話題といえばミクのJASRAC登録問題であろう。既に様々な場所で言及・考察がなされたのでここではしないが、ニコニコ動画に対する私的な思いとしては、コンテンツ企業によるクリエーターの青田買いや手っ取り早いネタの発掘場所などではなく、あくまでクリエーター同士、また視聴者との交流の場であってほしい。そのために、あったら嬉しい機能を一人のうp主として、またユーザーとして考えてみた。

ビデオトラックバック

これはYouTubeでは「VideoResposes」という形で既に実装されている。ニコニコ動画にアップロードされる人気作は改変されたり、他の作品とマッシュアップされることが多い。しかし、今の状態では元の作者に改変許可を取ろうと思ってもそれは困難である。ニコニコ動画では、うp主同士がコミュニケーションを取る手段が存在しないからだ。メールアドレスやブログが公開されている場合のみコンタクトを取ることができる。コンタクト方法が公開されていない場合、事後承諾になってしまうことも多い。
この状況を改善するために、改変版の作者がオリジナルの作者にトラックバックを打つことで通知が行き、その上でなんらかのリアクションを取れるようにするのが望ましい。(トラックバックを打ち返すと改変を許可したと見なされるとか)

「素材」タグ

前エントリに書いたように、ニコニコ動画にアップロードされているのは「作品」だけではなく、用途を素材に絞ったものも数多く存在する。例えば、アイマスMADでは(始めから素材として利用されることを想定してアップロードされた)アカペラデータを素材とするものも多い(リミックスとか)。そうした自分がアップロードしたものの改変を積極的にアピールする仕組みがあってもいいのではないだろうか。
ここではカテゴリタグという形態を提案するが、クリエイティブコモンズのエンベッドのように、うp主コメに貼り付ける形でもいいかもしれない。この機能はニコニコモンズとの絡みも考えるべき(「ニコニコ動画内のみで有効」など)。イメージとしては、ニコニコ動画ピアプロが組み込まれているのが当初のイメージである。(ただピアプロ内の作品のライセンスについては私の理想と距離がある)

マイメモリーランキング

コメントアートはニコニコ動画の文化を語る上で欠かせないものだ。しかし、コメントアートが存在する動画上では、後から見た人がコメントしづらいと感じてしまう。なぜなら、画面上に表示されるコメント数は決まっており、新しくコメントをすると古いコメントから消えていく。つまりコメントアートを残しておくために新しいコメントの書き込みを遠慮してしまうという現象が起こる。コメントが核のニコニコ動画において、このことは致命的ではないだろうか。古いコメントを保存・公開するマイメモリーという機能があるが、うp主のコメとマイリストからしかアクセスする方法がない。つまり、マイメモリーランキングは(コメントアートを保存した)マイメモリーにアクセスする手段を増やすのが目的だ。

荒らし撲滅隊緊急出動アラーム

今のニコニコ動画で、最も嫌われている機能は「時報」である。非同期(擬似同期)なニコニコ動画において唯一同期的な要素である。(ニコニコ生放送も近々リリースするらしいが)
動画の視聴を中断する行為はユーザーの反発が容易に予想できるはずだが、運営は「テスト放送では好評だったため」と説明をしている。確かに私自身もテスト放送に参加してある程度楽しめた。しかし、テスト放送と現在の時報の間には大きな隔たりがある。テスト放送は「緊急警報」と言う形で突発的に放送された。時報も放送されていたが「好評」だったのは圧倒的に緊急警報で、時報はテストの段階でも嫌われていた。どちらも動画の視聴を中断するという機能だが、なぜユーザーの反応は異なるのだろうか。
それは不定期と定期という違いがポイントだ。なぜなら同期には「祭り」の要素が含まれるからである。ユーザーは普段バラバラの時間にそれぞれ違った動画を見ているが、時報が始まると全員が同時に一つのコンテンツを視聴することになる。これは普段各々の生活をしている人々が集い、同じテンションを共有する祭りそのものである。日常と非日常のコントラストが重要だ。
時報は定期的で、緊急警報は不定期である。祭りは確かに定期だが、基本的には一年に一度きりである。新年のカウントダウンはなぜ盛り上がるか。一年に一度のイベントだからだ。対して「時報」は一日に一度以上。「祭り」の頻度としては高すぎる。
そこで時報は年越しのみにしてもらい、代わりに「荒らし撲滅隊緊急出動アラーム」を実装する。概要は、荒らしコメントが特定の動画に短時間で大量に書き込まれた場合(ランキング入りした動画ではしばしば起こる)、警報が鳴り響き、まさに今荒らされている動画を知らせる。ユーザーの有志はその動画に行き、対抗して大量のコメントを一気に書き込むことで荒らしコメントを流してしまう。これは逆炎上と言ってもいい。ネット上の「祭り」としては「炎上」などサイバーカスケードが代表的だが、これを構造はそのままにポジ・ネガを逆転させたものだ。(もちろんこの機能はネタである。)

ニコニコオークション

これもネタ。概要はこちらのエントリを。